1.はじめに
OCADは、オリエンテーリング用の地図を描くためのソフトウェアです。Windowsパソコンで動作し、世界中のオリエンティアの間で使用されていると言っても過言ではないでしょう。このOCADには、GPS受信機からのデータを取り込んでその位置を表示する機能がついています。知る人ぞ知る機能であり、ほとんどの人が使わない機能のうちの一つだと思います。しかし、2000年5月2日より米軍により故意に入れられていたGPSデータの誤差(SA)が解除され、市販されている安価なGPS受信機を用いても精度の高い位置情報が得られるようになりました。その精度は、およそ10m。条件によっては、O-MAP調査時に使える情報になりうるでしょう。
あなたは調査中にこんなことになっていませんか?
「ここどこなんだ?調査中なのにつぼっちゃったよ!」
「特徴の無い地形が広がっている真ん中に小凹地発見!ここはどこ?」
「急斜面のBやぶの中に大きな岩を発見。 ピークまで登ってそこから歩測しなきゃだめなの〜(涙)勘弁して〜!」
「Aさんの範囲の道の分岐から歩測して、Bさんの範囲の植生界の角に出たけど、
50mぐらいずれているぞ!Aさんの調査が違うのか?それともBさんか?それとも両方か??」
2.準備
まずはじめにOCADとGPSを使って、地図調査をする際に必要となる器材を準備しましょう。
必要な物
a.モバイルパソコン(windows)
b.OCAD Ver.6以降
c. GPS受信機 (IOデータ社製 PCGPSカードがお勧め)
以上3点。
それ以外に、調査の時に必要なものは、調査原図です。行政図などが良く用いられるでしょうか。この原図をスキャナーで取り込んでビットマップファイル(BMP)形式でファイル保存しておいて下さい。その際に重要なことは、原図の縮尺と取り込んだ時の解像度を覚えておくことです。
3.GPS使用方法
まずは、GPSの使用方法から説明します。
今回、説明するGPS受信機は、IOデータ社のPCGPSです。これは、PCカードタイプですからパソコン本体に挿すだけで使用でき、軽量かつ消費電力も小さいため、テレインの中に連れて歩くには最も適していると言えます。また、アンテナだけが本体から離れており、Dayバッグの上などに固定しておくことで体の陰になったりせず、衛星からの良好な電波受信状況が作れます。
気になる価格も定価で29,800円と安く、近くのパソコンショップで簡単に買える点も良いと思われます。
このGPS受信機の使い方は、マニュアルを見て頂ければ分かると思いますが、簡単に設定する方法を以下に記述しておきます。
a.GPSカードを本体に挿し込み、アンテナを空の見える外に出します。新しいハードウェアとして、パソコンにGPSカードを認識させてください。詳しい方法は、GPSのマニュアルに記載してあります。続いて、パソコンに付属のソフトウェアをインストールしてください。
b.設定終了後、実際に4個以上のGPS衛星からの電波を受信しなければならないので、全天空が見える庭などに出てください。。暑いから、寒いからと言って、マンションのベランダから少しアンテナを出しただけでは、空の半分はマンションで隠れてしまいますので、いつまで経っても電波が受信できません。がんばって外に出て下さい。
c. 付属ソフトウェアを起動させます。図のように衛星の探索中画面になるかと思われます。このまま15分ほど待ってみましょう。これを初期化と呼びます。時間がかかるのは最初だけです。一端、初期化作業が終われば、次回からは短時間で位置情報が得られるようになります。
d.しばらく待つと図のように一つの衛星を受信します。こうなったらもうすぐです。次の図のように4つ以上の衛星からの電波を受信出来たら、緯度経度が表示されるようになります。これで完了です。
e. 次にOCADで使うためのGPS設定を行います。メニューの中の「環境設定」を選択して下さい。「基本設定」「衛星マスク設定」は、特にそのままの設定で構いません。「NMEAパケット設定」では、GGA出力のチェックボックスのみをONにして下さい。その他もONにして構いませんが、電池の無駄です。OCADでは、このGGA出力のみを用います。
f. 以上でGPSの設定は終わりです。このGPSユーティリティソフトは、終了して下さい。ソフトを終了してもGPSは動きつづけています。
4.OCADの使用方法
さあ、いよいよOCADで使ってみます。
まず、調査原図の取り込み方法ですが、スキャナーをお持ちの方は、既にご存知だと思いますから、割愛させて頂きます。スキャナーをお持ちでない方は、
お知り合いの方やお仲間にお願いして、取り込んでもらって下さい。その際に注意すべき点は、2点「ビットマップ形式」「取り込み解像度」です。下記にあるメモ欄に忘れないように記載しておいて下さい。なお、オリエンテーリングMAPですから、磁北を上にして取り込むと後々楽に作業がこなせます。GPSを使うからといって、真北を上にする必要性はありません。
原図の形式はOcad Ver.7でしたら、ビットマップ以外でも使用できますので、詳しい方はそれらの別形式ファイルを使って頂いても構いません。
ビットマップ形式でのファイルは、標準的なWindowsパソコンでは、このようなアイコンで表示されています。
OCADをここで立ち上げて下さい。
「Options」->「Open Template」を選択して、先ほど読み込んだ原図を開きます。
原図の画像ファイルに解像度の情報が入っていればそのまま開いてくれますが、そうでない場合は解像度を入力するボックスが表示されますので、原図取込み解像度を入力して下さい。
画面に原図が表示されたでしょうか?表示の色がおかしかったり、ぼやけたようになっていたり、Can’t
open template. などのエラーが表示された場合は、原図の画像ファイルが正しく作成されていない可能性が高いです。この場合は、CAMAP研究会等のよく知っている人に手伝っていただいた方が早く解決できるでしょう。
続いて、「Options」->「Scales」にて地図の縮尺を合わせます。
通常、15000分の1でしょうから、Map scale:は、15000と入力します。(GPSに直接関係
ありませんが、この縮尺に関するOCAD作図失敗が多数聞かれております。不安がある方は、CAMAP研究会等のよく知っている人に助言を得ることをお勧めします。)
重要な点は、次のDraftのスケールです。これは原図の縮尺を入力します。町の行政図(5000分の1)を使った場合は、図のように5000と入力してください。先ほど表示した原図の縮尺ですので、例えば、「行政図(5000分の1)を入手したけれども大きすぎるので、コンビニで60%縮小コピーをしてそれをスキャナーで読んだ。」ということをした場合、Draft scaleは8333となります。ご注意ください。
いよいよ、GPSを表示させます。もちろん、GPSカードをパソコンに接続させておいてください。OCADのメニューの中からOptions->Open
GPSを選択してください。
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Open GPSというウインドウが出てきますので、ここでGPSの接続されているポート(ここでは、COM4。わからない場合は、Windowsのシステムのプロパティで確認してください。)と接続スピードを選択してください。また、Min.4satellitesにはチェックを入れておいた方がよいかと思います。これは、最低4個以上のGPS衛星からの電波を受信しないとOCAD上に位置を表示させないという機能です。このPCGPS受信機は、受信している衛星が3個になってしまっても高度を計算せずに水平位置を出
力してしまいますので、そのようなときの位置情報には大きな誤差が入っている可能性が高くなります。必ず、4個以上の衛星からの電波を受けているときのみ位置情報を信用した方がよいでしょう。
ここで、OKを押すまえに、Test…を押してみてください。
図のような緯度経度の値が表示されれば正しく接続ができています。もちろん、アンテナは上空の見える外に出しておいてください。Latitudeが緯度、Longitudeが経度となります。度・分で示されていますから、おおよその値が正しいかどうかも余裕がありましたら、地形図などを使ってチェックしてみてください。
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OKを押して、Open GPSを完了した後にGPSのAdjust作業をする必要があります。OCADの図には、経緯度情報が入っていないわけですので、OCAD上のどこの点が経緯度何度何分に該当するかを教えてあげる必要があるわけです。しかし、経緯度を計
算して入力してやる必要性はなく、地図上で明確な点にGPSとOCADの入ったパソコンを持っていけばOKです。例えば、次の図で説明いたします。某所の市内の地図が原図として表示されています。そこで、図に示すようにOption->Adjust GPSを選択します。すると図のようなウインドウがでます。ここで注意点があります。地図の原図は、磁北を上にしてあることと思います。日本では、磁北が西偏になっているでしょうから、その設定をいたします。Angle:のところに角度を入力してください。その後、Newを選択してください。アイコンが
このように変化します。そこで、今いる現在地を地図上でクリックしてください。この図の場合、私は池に架かる橋のたもとにおりましたので、そこをクリックしました。すると丸に十字の書かれたマークが表示されます。
これが、現在地を示します。そこで、では、池の東へ移動してみます。
ここに示すように、十字の印が移動するのがわかるかと思います。
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以上で、GPSの使い方は終了です。
5.おわりに
本説明では、オリエンテーリング調査の際に使用するGPSの機能に的を絞って、紹介しております。OCADCそのものの使用方法も知っておいていただかなければなりませんし、GPS受信機に関しても使用方法は様々です。余力がありましたら、それらのところもお調べになって、よりよいGPSの活用をされることを期待しております。